エンディングノートの書き方、「介護など」のぺージについて書きました。
「将来、身体が不自由になったり、認知症になったりして介護が必要になったらどうしよう」多く
の方が、このような悩みを持っておられると思います。どのような道のりをたどって、介護を受け
ることができるのかを知っておくことで、ご自身や回りの方の負担も軽くなると思います。
急に物忘れがひどくなった、怒りっぽくなったという場合は、「物忘れ外来」がある医療機関を受
診して、認知症かどうかを診察してもらいましょう。家族が本人を「物忘れ外来」に連れて行くの
は難しいといいます。本人に認知症の自覚がない、あるいは、そうは思いたくないという心理が働
くからです。認知症は、ある日突然発症するのではなく、ある程度時間をかけて進行していくもの
です。(病気で入院中に急に認知症の症状が出てくるということはあります)「物忘れがひどくな
ってきた」などの自覚は、本人にもあると思います。その立場になってみなければわかりません
が、万一、家族からそのような申し出があったのなら、拒否するのではなく、素直に診断を受ける
ようにしたいですね。
まずは地域包括支援センターに行く
認知症と診断されたり、身体が不自由で日常生活に支障をきたしている場合、介護申請を行いま
す。でも、どうすればいいのでしょうか?そんなときは、地域包括支援センター(地域によって名
称が異なるところも)に相談に行かれるとよいです。市町村役場に相談に行くと、必ずここを紹介
されます。ここには、ケアマネージャー(通称ケアマネ)もいて、親切に相談にのってくれます。
ケアマネは、介護に関する幅広い知識を持っているので、様々なケースに対応した案を出してくれ
ます。地域包括支援センターは、介護に関する入口と思ってください。
介護を受けるまでの道のり
地域包括支援センターに行ったからといって、すぐに介護を受けられるわけではありません。まず
は、本人がどのような状態なのかを確認する必要があります。家族は、「要介護認定」の申請を行
います。本人の現状を知り、どの程度の介護が必要なのかを、判断してもらうためです。介護度
は、7段階に分けられています。大きくは、「要支援」と「要介護」に分かれます。「要支援」は、
現在は介護が必要ではないけれど、将来的に介護が必要になることを予防するためにサポートしま
しょうというものです。状態によって、要支援1 要支援2 になります。(要支援2のほうが重
い)
「要介護」は、日常生活を送るために介護が必要な状態のときに認定されます。要介護1~5まであ
ります。要介護1は、立ち上がりや歩行が不安定で、身の回りのこと(トイレ、入浴)をするのに
見守りや介助が必要というレベル、要介護3は、自分で立ち上がることができない状態、要介護5
になると、寝たきりの状態です。現在は、特養に入所するには、要介護3以上が必要です。
介護度によって、介護保険を利用して受けることができるサービスと1か月の限度額が異なります。
アバウトですが、要支援1→5万円 要支援2→10万円 要介護1→15万円と およそ5万円ずつ増加
していくイメージです。(厳密には異なりますので、ご注意ください) 特に所得の多い人以外
は、1割負担なので、要支援1は、月額5千円、要介護1だと、月額15,000円を限度にサービスを受け
られるということです。裏を返せば、5万円のうち、45,000円は、介護保険料・税金から支払われ
ているということです。話がそれましたが、「要介護認定」の申請は、地域包括支援センターのケ
アマネが手伝ってくれますので、安心してください。
申請後、市役所の調査員が本人と面談を行います。面談は、ケアマネ任せにはせず、可能な限り家
族が同席することをお勧めします。よくあるケースですが、本人は、調査員の前では、認知症とは
思えないような対応をすることが多いです。ですので、家族としては、いつもの状態を、調査員に
しっかり伝えることが重要になってきます。おそらく、家族と調査員だけで話す時間をとってくれ
ると思いますが、そうでない場合は、後から電話で伝えるなどの対応をされるのがよいでしょう。
その後、医師の意見書などをもとに総合的に判断して、介護認定されます。申請から認定までの期
間は、1か月程度かかります。
迷惑をかけない失敗しないエンディングノートの書き方」を読んで、これからの課題をみつけていただきたいと思います。製本版はお問い合わせください。