LITE版P9「お葬式」

エンディングノートの書き方、「お葬式」のページについて書きました。

親のお葬式のとき、どこの葬儀会社へ依頼すればよいのかで困った、あるいは、よくわからないの

で、とにかく葬儀会社のいうとおりにしていたら、後から請求額に驚いたという人も多いのではな

いでしょうか?自分のときは、遺族に迷惑をかけたくないという思いから、最近では、自分のお葬

式を、予め、葬儀社などに予約しておく人も増えています。生前予約といいます。

まずは、最近のお葬式事情はどうなっているのかからみていきましょう。

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●家族葬

都市部では60%以上が家族葬といわれています。参列者は、家族を中心にごく親しい人たちだけ

で、10~30人程度の規模のものが多いようです。お通夜、告別式とも行います。よく似たものに密

葬がありますが、密葬は、親族だけで火葬を行い、後日、お別れの会などを行うことを前提として

行うものです。家族葬が増加している背景には、地域の人たちとの関わりが少なくなったことや、

故人とゆっくりお別れがしたい、費用を抑えたいと思う人が増えているからです。

家族葬には、費用を抑えられる、故人とゆっくりお別れができるというメリットがありますが、一

方で、デメリットもあります。家族葬に呼ばれなかった親戚から責められたり、故人が生前おつき

合いの広い人だと、あとから弔問客がたくさん来て、相手をするのが大変だったというようなこと

もあります。

●直葬(ちょくそう)
病院で亡くなった後、そのまま火葬場に行って、火葬されます。火葬場で、お経を読んでお別れす

るサービスもあります。お通夜・葬儀は行いません。東京都では、5人に1人が直葬ともいわれてい

ます。経済的に厳しい人が直葬を選択するケースが多いようですが、葬儀に対する意識の変化(死生

観の変化)から、直葬を選択する人もいます。

注意点としては、菩提寺に納骨する場合は、事前に菩提寺の了解を得ておかないと、納骨を認めて

くれないケースもあるということです。納骨を認めない菩提寺の考え方は、仏教は、お通夜、告別

式を儀式として行うもの。その儀式をおろそかにする人の納骨は行わないというものです。菩提寺

と檀家の関わりが希薄になり、日頃から、お互いが連絡をとる機会もないことから、檀家は、葬儀

が終わってから、当たり前のように納骨をお願いする、それに対して、菩提寺は、無礼な檀家だと

感情を害してしまう。こうなると、後から関係を修復するのは、非常に難しくなってしまいます。

直葬を選択する人は、そのあたりも考えるようにするのがよいでしょう。また、直葬の場合、遺族

が、「あれでよかったのだろうか」と、あとで後悔することもあるそうです。

●一日葬
お通夜はなしで、葬儀と火葬を一日で行うものです。こちらも、事前に菩提寺の了解を得ておかな

いと、納骨を認めてもらえない可能性があるので、注意が必要です。

●一般葬
昔からある葬儀形式。親族や近所の人々、友人、会社関係の人など、故人と関わりのある人が広

く葬儀に参列するものです。後から、弔問客の対応をする必要がないというメリットはあります

が、経済的な負担が大きい、忙しくてゆっくりお別れができないというデメリットがあります。

どの葬儀を選択しても、自分の葬儀のときには、自分はこの世にはいません。遺された遺族のこと

も考えて、できれば、家族と話し合いながら、決めるのがよいでしょう。最近は、趣向をこらした

個性的な葬儀を行う人も増えているそうです。家族と一緒に、思い出を語りながら準備する、これ

も遺された家族にとっては、かけがえのない時間になると思います。

●葬儀費用
お葬式についてみてきましたが、葬儀費用についても気になりますね。まずは、ご自身が亡くなっ

た場合の遺族(相続人)の立場から、葬儀費用をみてみましょう。亡くなった人の口座からお金は

下せるのでしょうか?

預金口座を持っている人が亡くなり、銀行がそのことを知ると、その人の口座は凍結され、お金は

一切引き出せなくなってしまいます。(銀行が知らなければ、いつも通り、下ろせます)葬儀費用

を引き出すために、銀行に走ったという話を聞いたことがあるのではないでしょうか?亡くなった

人の口座からお金を引き出すという行為は違法ですが、立て替えるお金がなく、やむを得ず下ろす

場合、後々のトラブルを防ぐために、①相続人が複数いる場合は、他の相続人に、事前に引き出す

ことの了解を得ておく、②かかった費用の領収書はすべてとっておき、自分のために使ったのでは

ないということを証明できるようにしておくことが大切です。相続は、ちょっとしたことから猜疑

心が生まれ、争いに発展することが多いです。あらぬ疑いをかけられないように、お金の取り扱い

には十分注意してください。また、亡くなった方に多額の借金がある場合は、注意が必要です。亡

くなった方の財産を勝手に下ろすと、相続を承認したものとみなされ、プラスの財産よりもマイナ

スの財産(借金)のほうが多い場合でも、相続放棄ができなくなる恐れがあります。葬儀費用だけ

ならまだしも、亡くなった方のカードローンの返済を行うために下ろすようなことは決してして

はいけません。(最終判断は、家庭裁判所が行います)

葬儀信託
最近では、葬儀信託という選択肢もあるようです。葬儀社が信託銀行と組んで行うものです。利用

者が葬儀社に葬儀費用を予め預け、そのお金を、葬儀社は信託銀行に預け、利用者が死亡したとき

に、相続人からの連絡を受け、葬儀終了後に、信託銀行から葬儀社に葬儀費用が支払われるという

仕組みのようです。一例公益社のHP (当事務所とは一切関係ありません)

●戒名
戒名は、故人が仏の弟子になった”しるし”として、葬儀の際に菩提寺(ご先祖のお骨が納骨されて

いるお寺)の僧侶につけてもらう名前のことです。位の高い名前をつけてもらうと、費用も高くな

ります。高いものでは、数百万円のものもあります。上記の直葬、一日葬のところで、葬儀(お通

夜、告別式)を行わない場合、納骨を拒否されることもあると書きましたが、これは、戒名をつけ

ないことに起因するものだとお考えください。仏教徒として葬儀を行う場合、仏の弟子になること

が前提条件になるのだから、戒名は必ず必要だというのが菩提寺の主張です。一方で、檀家側から

すると、普段、ほとんどつきあいのない僧侶に、ちょっと名前をつけてもらっただけで、数十万~

数百万円というお金を渡さなければならないのは、納得がいかないというものです。お寺によって

は、気持ちだけと言いながら、高額なお布施を強要するケースもあり、関係がこじれて争いに発展

することもあります。菩提寺と檀家の関係が薄れ、ただ何となく仏教形式で葬儀を行っている人に

とっては、戒名の存在自体が必要なのか、何でこんなに高いのかという疑問が湧いてくるのでしょ

う。最近は、葬儀社が僧侶と契約し、一律いくらという金額で戒名をつけてくれるところもありま

す。菩提寺がない、わからないという場合は、それでもよいでしょうが、菩提寺がある場合は、ト

ラブルになると、後々、大変な思いをすることにもなりかねませんので、是非とも、ご注意いただ

きたいと思います。

戒名は、生前につけてもらうこともできます。費用もそのほうが安いことが多いようです。既に戒

名をつけてもらっているという話も聞きます。戒名のことで、遺族に負担をかけたくないという方

は、生前に戒名をつけることを検討されるのもよいでしょう。

菩提寺のお坊さんが尊敬できる親切な方だったらよいですが、そうでない場合もありますよね。こ

んな場合は、どう考えるとよいのでしょうか?私自身も、答えがわかりません(ー_ー)!!

 

エンディングノートは、いろいろなことを考えながら、あるいは実行しながら書いていくと、相当

な時間がかかるものです。エンディングノートを書いていただいている方のご感想で、「いろいろ

と考えながら書いているのに、娘からは、まだできてないの?」と言われて困っているというもの

もあります。その方は、まずは鉛筆で下書きをしてから清書をと考えられているようで、まだ、下

書きの途中だそうです。それぞれのやり方で、書かれたらよいと思います。まずは、ダウンロー

ド、あるいは、製本版を購入するところから始めてくださいね。

書かれた方は、ご感想をお聞かせいただけると、うれしいです。

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