エンディングノートの書き方「介護など」のページ、臓器提供について書きました。
臓器提供とは、心臓が止まった死亡後か、脳死(脳全体の機能が低下して二度と回復しない状態)
になったときに、移植を待っている人のために臓器を提供するものです。本人の意識はないわけで
すから、その判断を迫られるのは家族になります。臓器提供を迫られる場面としては、突然の交通
事故でそのような状態になったときなどで、病気で入院している人が臓器提供を求められることは
ほとんどありません。
2010年7月改正臓器移植法の全面施行により、生前に書面で臓器提供の意思表示をしている場合に
加え、本人の臓器提供の意思がわからない場合も、家族の承諾があれば臓器提供をできるようにな
りました。15歳未満の人からの臓器提供も、家族の同意があればできるようになりました。ただ
し、本人が臓器提供を拒否する意思表示をしている場合は、たとえ、家族の同意があっても、臓器
提供は行われません。
自分がそのような状態になったとき、臓器提供をしてもよいと思われている人は、必ずその意思表
示を家族に伝えておくようにしてください。家族が、あなたの意思表示を知らずに臓器提供を迫ら
れたら、どう判断すればよいのか迷いに迷ってしまいます。自分の家族がそうなってしまった場
合、本人が臓器提供を希望していたとしても、拒否するかもしれません。それほど、つらいこと
だと思います。家族には、免許証や臓器提供のカードを見せながら話すのがよいかもしれません
ね。免許証やカードは、常に携行するようにしてください。
移植体験者や臓器提供者の家族の思いなどを中心とした「think transplant」シリーズです。臓器を
提供した人の家族の気持ち、臓器の提供を受けた人の気持ちがとてもよく伝わってきます。万一の
ときに、自分自身が後悔しないために、是非、一度考えてみてくださいね。